シェットランドフォックスのボートン

先日、出張があって久しぶりにスーツを着た。トレーニングで肩がデカくなったので、ジャケットの肩幅が完全に合わなくなっていた。阪神電気鉄道労働組合のポスターに描いてありそうなシルエットになってしまった。もうあのスーツは着られない。出張当日は生憎の雨で、レザーソールではない革靴がボロボロのシェットランドフォックスしかなかったので、それを履いていった。元々ボロボロだったが、帰る頃には見るも無惨な姿になっていた。銀浮きしまくり、塩吹きまくり。どうもこの靴は雨に弱い。ハーフラバーが貼ってあるという理由だけで私が雨靴扱いしているだけであり、決して雨天用には向いていない。あちこちにガタがきているので修理費もかさみそうだ。かといって捨てるのも忍びない。来月の修理候補筆頭である。職場の内示で、テキトーな服装で働ける部署に決まったら、突然修理するのを辞めるかもしれない。

 

相当重傷

  この靴はボートンというモデルらしい。新卒の年に買ったはずだから、もう7年近く経っていることになる。経っていることになるらしい。買ってすぐの頃にも雨に降られて、その1回で銀浮きしたので、革そのものが雨に弱いと思われる。

 

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 いま思い出したが、この記事内でこの靴をいつか紹介できたらなどと書いている。6年以上経ってからようやく書いている。こんなにボロボロになってから書くなよ、と靴には思われているかもしれない。この6年の間、私は転職したり、同棲を解消したり、ロクでもない上司に仕事を押しつけられたり、雪国に転勤を命じられたり、まあとにかく色々あった。コロナウイルスで人々がバタバタ倒れたり、元首相が銃殺されたり、世界のあちこちで戦争が起こったりした。大変である。靴ごときが紹介のタイミングで文句を言ってはいけない。

 

 私はこの靴が気に入っていなかった。そこそこ高い割には革が繊細すぎる。ムラ感がある、と謳えばそれっぽいが、とにかく色抜けしやすく、メンテナンスをしてもすぐにみすぼらしくなってしまう。あとウェルトの縫い目からコルクの粉が常にこぼれ出ているのも汚らしくて嫌だった。

 

 履き口もだが靴紐があたる部分もこのように擦れて色抜けしている。黒靴は何足も持っているが、こんなことになるのはこの一足だけだ。インソールも湿気の抜けが悪いのか、買って1年後くらいにはクラックじみたバキバキした跡が付くようになった。そんなことになるのもこの一足だけだ。文句ばかり出てくる。

 

 傷だらけ、ボコボコでガサガサ。買った当初の端正な面持ちはどこへやら。気に入っていないとはいっても、ほかの靴と同じようにメンテナンスをしてきたのだが、どうしてこうなるのか。「男の子ってどうしてこうなの?」みたいなタイトルの本が実家にあったことを思い出す。あの本のことを思い出す度に、私は母親にえらく苦労をかけたのだろうなと切ない気持ちになるのだ。この靴が・・・こんなにボロボロだからッ、このッ!

選択したポケットティッシュのようなつぶれ具合

 気に入らないところばかりの靴なのだが、履き心地は良いので手放せないでいる。靴の本懐部分はしっかりしている。憎みきれない。自分で丸洗いしてから修理に出そうかと思ったが、面倒くさいし、革の性質的にも失敗しそうなので、丸洗いも含めてプロに修理を任せようと思う。オールソール、滑り革補修、履き口のパイピング処理などを頼もうかと思っている。3万円くらいするのではなかろうか。というかオールソールしたら履き心地もリセットされるのではないか。メンテ費をすぐケチるのと、そもそも靴の数がありすぎるのとで、私はまだ一度もオールソールを依頼したことがないのだ。来月あたりに修理店に持ち込みたいですね(白目)