私は春菊が大好きで、スーパーに並び始めると小躍りしてしまう。ただ、春菊は他の葉物野菜に比べて足が速いのか、はたまた繊細なのか、しなびていたり黒ずんでどろどろになってしまっているものを多く見かける。それ故に新鮮で綺麗な春菊を見つけたときの喜びは大きい。
昔は専ら鍋に入れて食べていたが、最近はサラダにして食べている。高めの良いオリーブオイルを買うようになったことが大きいと思う。オリーブオイルが高騰し始めたくらいから、どうせ高いならスーパーに並んでいるものではなくて、カルディとかに並んでいるような、コールドプレス製法云々、巷で「本物の」と言われるオリーブオイルを買うようになった。せっかく良いオイルなら、火を入れない料理法で、その風味を存分に楽しみたいというわけだ。生食への傾倒。
春菊が出始める頃には柿も出始める。ということで春菊と柿とイカのサラダを作ることにした。これは昔行った料理店が出していた一品を真似たものだ。私の中では秋の定番の味になっている。




水菜は別バージョンのサラダとして作るつもりなので、今回使用するのは春菊、柿、イカのみだ。あしからず。作り方と言っても、サラダなので適当な大きさに具材を切って洗って(イカは茹でて)、冷蔵庫で冷やした後にドレッシングと和えるだけだ。なお、柿との相性が抜群なので、ドレッシングには絶対にバルサミコ酢を使ってほしい。前に作ったときには、アメリカオオアカイカとかいう得体の知れないイカを冷凍したものを使ったが、サラダにはすこぶる不向きだった(腰を抜かすほど不味かった)ので、今回はスルメイカを買った。作っている最中に茹でただけのを一口つまみ食いしたが、天を仰ぐほど美味かった。
「だけ」とは言いながらも、サラダというのは自分で作ってみると存外手間のかかる料理だということが分かる。鍋料理と違って何となく見映えを気にしてしまうので具材の切り方にも気を遣うし、野菜を洗った後はサラダスピナーで水気を飛ばさないと美味しくできない。更にいえば春菊は泥が付いていることが多いので洗うときにも苦労する。このときあんまり乱暴に扱うと葉が折れて痛み、黒ずんでしまうことも丁寧な作業を強いてくる。柿も皮をむいたり切りそろえているうちに生ぬるくなる。春菊は水で洗ったときからもうぬるい。イカに至っては茹でるのでしばらく灼熱だ。私はサラダは冷たいのが第一条件なので、冷蔵庫で冷やす手間もかかる。サラダスピナー、サラダボウル、ドレッシングを混ぜる調味皿、食べるときの皿と、洗い物も多くなる。鍋に放り込んで火にかけていればできあがる料理とはまるで違う。昔、生野菜が好きでなかったので、実家でママンが出すサラダに渋い顔をしていたが、私はなんて罰当たりだったのだろう。
そんなおサラダ様を作ろうというときは、キッチンをピカピカに磨いてから作業に取りかかると気分が良くなる。綺麗なキッチンで春菊を食べやすい大きさにぷちぷち千切っているときは、何ともいえない幸福感が湧いてくる。

文句なしに美味い。
今回、サラダを仕込んだ後に眠い目をこすりながらジムに行った。ベンチプレスだけやって帰った。フォームがかなり良くなったように思うが、まだ100kgは上がらない。90kgが限界。とりあえず80kg10レップを安定してできるようになりたいところ。筋肉にビタミン行き渡れ~。